元々ご主人のお母様がお一人で暮らしていた住まいに、N様ご家族の同居が決まったことから、建築計画がスタートしました。
お母様の住まいは、大きな和室が連なり襖で仕切った間取りの、いわゆる昔ながらの木造住宅。N様の御祖父様が建てた築20年の家には、ご家族の思い出がたくさん刻まれていました。家族みんなで暮らすには充分な広さがあるものの、全体的に老朽化が進み、3世代のご家族が一緒に暮らすには不便な部分がありました。
テラジマアーキテクツに来社された当初は建替えも検討されていましたが、N様邸は地下車庫のついた大きな戸建ということもあり、ご希望を叶えるには想定よりも費用がかかることからリノベーションを選択。
N様の理想の家づくり計画がスタートしました。
N様ご夫婦が求めていらっしゃったのは、ただきれいな新しい家、ではなく、細部まで丁寧にデザインされた住まいであること。
そして使い勝手や住み心地のよい間取りの提案と同時に、いつでも家族の気配が感じられる工夫がほしい、ということでした。
そこでお打ち合わせでは、床材や壁紙などの膨大な数のサンプルをご確認いただきながら、N様好みのテイストに近づけていく作業を緻密に進めていきました。
通常リノベーションは新築に比べ工期が短いため、お打ち合わせの機会は必然的に少なくなります。また、既存の建物の状況によっては制約があるケースも少なくないため、どうしてもご希望通りにならない部分もでてきます。
しかしデザインに強いこだわりをお持ちのN様にご納得いただけるよう、お打ち合わせには新築並みに充分な時間を掛け、建築家たちが随時アイデアを出し合いながら、数多くの選択肢を用意してN様の理想のイメージに近づけていきました。
そしてもう一つのご要望であった「家族のつながりを大切にした家づくり」は、テラジマアーキテクツが最も得意とするところです。
水廻りや階段の位置なども大幅に見直し、空間を最大限に活用したプランニングを行いました。
そして4か月後。
以前のN様邸のイメージを一新した、シンプルモダンの明るい住まいが完成しました。
限られた空間をより広く見せるために明るい色調に統一しつつも、いくつもの異なる素材を組み合わせることでメリハリのある印象に。
間取りを変えるにあたり、構造上どうしても省くことのできないリビングの柱も、質感で遊ぶことでデザイン上のアクセントとして空間に華を添えています。
また、ご家族が集まるリビングとキッチンなどの家事室、各々の個室はよりシンプルな動線とし、開放感のあるつくりとなりました。
ホテルのように生まれ変わったお住まいに、N様からは「あまりの様変わりに驚きました!テラジマさんでなければこうならなかったでしょうね」と大満足の嬉しいお声。
また、お母様もガラリとイメージを一新した住まいに驚きながらも、これから始まるご家族との賑やかな暮らしをとても楽しみにされているご様子でした。