2009.3.19
ヒートポンプは「地球温暖化対策の切り札」と呼ばれているのをご存知でしょうか。
それはヒートポンプがエネルギーを作り出す際に二酸化炭素を排出しないという大きな特徴を持っていることに起因します。
なぜそのようなことが可能かと言うと、大気中の水分や気体に含まれる熱をかき集めて、エネルギーに変え、冷却や加熱に用いるというシステムによるためです。
つまりエネルギーを得る際に火を焚く必要がないため、二酸化炭素を排出しないのです。
だからこそ少しの動力で熱を取り出すヒートポンプは切り札となり得るのです。
しかしここで出てくる疑問として、「ヒートポンプは何で動くのか」という点です。
熱を得るため、少量とはいえ動力を要しますからこの疑問はもっともであり、そしてその答えは「電気」となります。
それでは「火を使う火力発電所などが発電した電気を使うことになるなら、必ずしもエコだとは言えないのではないか」というパラドクスが発生します。
ここで注目すべきなのが、ヒートポンプの「熱効率」です。
熱効率とは、「投入されたエネルギーに対し取り出された熱エネルギーの比率」のことを指し、ヒートポンプのこれは非常に高いのです。
消費した電力1に対し1の熱エネルギーしか得ることができない燃焼方式の暖房器具などに比べ、ヒートポンプを使用すると必要な熱エネルギーを1を得ようとする上で、その6分の5を空気から取り出した熱エネルギーで賄うことだってできるのです。
つまり、消費電力は必要な熱エネルギーの6分の1で済むことになります。
このエネルギー消費量の少なさが、ヒートポンプの最大の特徴であると言えます。
京都議定書により、日本政府には2008年〜2012年の平均で、温室効果ガスを1990年比6%削減することが義務付けられています。
これは実現させるのにかなり困難な課題に見えますが、実はヒートポンプが日本中に普及したとすると一年間に排出する二酸化炭素を10%も削減することが決して不可能ではなくなると言われています。
ヒートポンプ技術は、すでに確立されている技術であるとともに、日本が世界をリードする、画期的な省エネ技術です。
ヒートポンプの普及は、国の政策でもあります。
2003年、内閣府の総合科学技術会議は、「冷暖房用、給湯用ヒートポンプの効率化技術の開発」を、特に重要な温暖化対策技術と位置付けました。
日本は、自国の優れたヒートポンプ関連技術を世界に発信することで、環境分野で世界をリードすることが可能なのです。
テラジマアーキテクツでも外張り断熱工法の標準化と共に、ヒートポンプ式空調を採用しております。
省エネルギー住宅を、高効率システムによっても実現させていくことをこれからも目指します。
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