2009.6.11
「自律循環型住宅」という言葉があります。
財団法人建築環境・省エネルギー機構のホームページによれば、「気候や敷地特性など立地条件と住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で建物と設備機器の選択に注意を払うことによって居住性や利便性の水準を向上させつつ居住時のエネルギー消費量(CO2排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%にまで削減可能で2010年までに十分実用化できる住宅」と定義されています。
つまり「省エネ住宅」ということです。
一般的によく注目されるのは、冷暖房などの機器の省エネですが、生活する上でで使用するエネルギーはもちろんそれだけではありません。
給湯もあれば照明もあり、また家電全般もエネルギーを消費します。
つまり製品レベルではなく、生活する上で必要なエネルギーを総合的な観点からみて住宅レベルで二酸化炭素の削減を具体的に目指す設計を行うことが大切です。
その指標となるのが、「自律循環型住宅設計のためのガイドライン」です。
大きく3つに分類された13の要素技術において手法が示されていて、これらを駆使することで省エネを追求します。(図1参照)
自律循環型住宅において省エネがどれだけ達成されたかは、「普通の家と比べて○○%の省エネ」とわかりやすく表現され、専門家でなくてもどれだけ省エネを実現しているかを知ることができます。
ここでいう「普通の家」とは、もちろん基準があります。
2000年ごろのに建てられた一般的な住宅、旧省エネ基準レベルの断熱、第一種ダクト式の換気、従来型ガス給湯器による給湯などの仕様の住宅を指し、この住宅と比べて断熱や設備などの改善による省エネ度を高めることで、どれだけ実現できたかをわかりやすく表示するのです。
この「2000年ごろに建てられた家」に比べ、自律循環型住宅では二酸化炭素の排出量を年間で50%削減することが可能で、2010年ごろには普及が可能だと言われています。(図2参照)
さらに太陽光発電やなどを設置して残りの電力を発電することで、「ゼロエネルギー住宅」を目標とし、この意義こそが「自律循環型住宅」の由来だと言われています。
今、住宅が評価される時代となってきました。
政府の景気浮揚施策には住宅に係るローンの減税や補助金などの対策が講じられているわけですが、それらの対象を決定するべく用いられる指標となるのがこういった評価ツールなのです。
義務ではないので使うかどうかは各社に委ねられています。
しかし各自の判断だから「関心がない」では、もちろん済ませられません。
積極的に情報を収集し。使用していくことが最も重要であります。
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