2015.11.19
設計の池田です。
先日、散歩がてら荻窪にある角川庭園・幻戯山房へ行ってきました。
この建物と庭園は角川書店の創業者である角川原義氏が1955年に建てた邸宅で、現在は杉並区に寄贈され区立公園として一般公開されています。
建物は木造2階建ての近代数寄屋造りで茶室等を持つ築60年になりますが細部まで丁寧に作り込まれた素晴らしい邸宅です。
訪問した日は茶室が使用中で見学することが出来ませんでしたがどの部屋からも庭が眺められ庭との繋がりが考えられていました。
これは1階の詩歌室からの眺めです。
↓
部屋のコーナーに窓が設けられ四季折々の庭の表情を楽しむ事が出来るようになっています。
このコーナーの窓は全て引き込む事ができ、開放すると部屋の中に居ながら庭と繋がり、窓の部分に腰掛ければ視線が下がり周囲の建物は庭の木々に消され遠い別荘地にでも来たかのように感じる事ができます。
この建物の窓全てには手前から雨戸、網戸、ガラス戸、障子と4種類10枚の建具が全て引き込みできる仕様になっており、季節、用途に応じて調整できるようになっていました。
10本もの建具が並ぶと窓枠の幅だけでもこんなに広くなるのですね。
屋根は瓦と銅版で葺かれていて軒先の破風の部分も銅版で巻かれそのまま軒裏の板貼りの天井にフラットに繋がる丁寧な仕事がここにも見て取れます。
私たちも日頃の家づくりに可能な限り手間暇をかけ、何十年も経った後でも愛される住宅を作って行きたいと思った秋晴れの散歩でした。
庭には水琴窟もあり風流な音を聞いて楽しむ事も出来るのでお近くにいらした際には少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
—-
◆最新イベント情報◆
2015.12.4(金)【テラジマアーキテクツ×バング&オルフセン二子玉川】ショールーム特別見学イベント&トークセミナー開催
詳細・お申込みは→こちら
◆テラジマアーキテクツ作品集はこちら