2014.1.20
設計の伊澤です。
少し前のことになりますが、ホキ美術館に行ってきました。
ここで私なりのホキ美術館のまとめを…。
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・ホキ美術館は世界でもまれな写実絵画専門美術館として、2010年11月3日に千葉市緑区に開館。
・日建設計
・建物としては、30mのキャンチレバーになっているギャラリーと、こだわりぬいたディテールとが見どころ。
・収蔵品は、日本の写実主義の絵画。こちらも普段目にすることが少ないので、面白い。
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例えば、エントランス。
1枚のガラスが存在するだけで、通常の自動ドアに必要な機械類は全て天井裏に隠されているため、
非常にすっきりとしています。
すっきりしすぎていてエントランスと気づかないくらい。
他にも空調用の給気・排気、照明、スプリンクラーヘッドなどを、全て小さな天井の穴としてデザインして、
存在感を消し去ったりした手法など、ディテール好きには見どころ満載の建物になっています。
その中でも特に気になったのが、トイレのサイン。
こうした小さなサインはデザインに気を使った建物でも、精々デザインされたプレートを貼る程度にとどまりがちですが、
ホキ美術館では壁面が盛り上がったような特殊なサインになっています。
実は写真ではよく分かりませんが、この盛り上がった部分が均一でなく、微妙にムラがあります。
ですので、職人さんによる手仕事と想像しているのですが、これが空間の邪魔をしないだけでなく、
ひとつの味となっていました。
非常に細かいところではありますが、細部まで気を配られた建物は、その規模や用途に関係なく、
とても気持ちがいいものです。
自らの設計でも気をつけていきたいところです。