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2012.5.23

伝統の美しさと知恵

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昨日、ついにスカイツリーが開業しましたね。
あいにくのお天気でエレベーターが一時停止してしまうようなトラブルもあったようですが、東京の新名所としてしばらくは話題が続きそうです。

そんなスカイツリーは様々なメディアで紹介されていますが、先日目にしたニュースでは、スカイツリーに取り入れられた日本伝統の形態について説明されておりました。

スカイツリーの塔体の断面形状は、足元では三角形で、徐々に丸みを帯びながら細くなっていき、地上300m付近で円形になっており、これは伝統的な日本建築で見られる「むくり」を取り入れた形態だそう。

むくりとは、上方に対して凸形に湾曲している仕上面のことですが、むくり屋根は数奇屋建築の屋根に多く見ることが出来ますし、現在の住宅にも見ることができますね。

弊社では、通りに面していたり隣接地との距離が近いような家でも、ルーバー(縦格子)を窓に設置することで、プライバシーを確保しつつ光と風を採り入れるご提案をさせて頂いております。

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ルーバーの凹凸がシンプルな外壁のアクセントにもなり、外観もモダンな仕上がりになります。

また、コートヤード(中庭)を設置して、居住空間に光と風を取り込む設計もよく取り入れております。

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実は、これらは日本の伝統的な町屋でも使われていたアイディア。

町屋の場合は、障子の外側に「出格子(でこうし)」と呼ばれる格子を設置。
この格子は、道路からは殆ど中を覗かれることはありませんが、家の中からは結構道行く人が見て取れます。
おかげで障子を開け放っておけば、プライバシーを気にすることなく、風が吹き抜けていきます。

また、離した間に中庭をとって採光と通風の用に充て、生活に潤いをもたらしてきました。

町中の建て込んだ場所にあっても、こうした格子のような装置と、中庭のような外部空間を有効に繋げることによって、家中を風が吹き抜けていきます。

これはまさに現在の狭小住宅にも通じる考え。

伝統には美しさ、そして知恵が秘められています。

先進的なものを追い求めることも大事ですが、時にはこういった伝統を振り返ることもとても大事ですね。

◆◆◆◆

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