2012.2.22
先日とあるテレビ番組で、2年にも及ぶ大改修を経て昨年10月にリニューアルオープンしたフランス・パリにある【オルセー美術館】が紹介されていました。
そういえば昨年、日本でも「オルセー美術館展」が巡回していましたし、皆さん聞き覚えのある美術館かと思います。
オルセー美術館は、印象派やポスト印象派など19世紀末パリの前衛芸術のコレクションが有名です。
マネの『草上の昼食』、ミレーの『落穂拾い』やゴッホの『自画像』『ローヌ川の星月夜』、ゴーギャンの『タヒチの女(浜辺にて)』などの絵画をはじめ、アールヌーヴォーの工芸や彫刻などなど、挙げ始めればきりがないほど、名作ばかりの美術館です。
多くの名作を擁するオルセー美術館は、ルーブル美術館などに並び称される、歴史ある美術館・・・というイメージを持っていたのですが、実は美術館としての歴史は26年ほどなのだそう。
というのも、オルセー美術館の建物はもともと1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設されたオルセー駅の鉄道駅舎兼ホテルだったとのこと。
設計者は駅や庁舎を数多く手掛けたフランスの建築家・ヴィクトール・ラルー。
こちらの画像はオルセー美術館の内観です。
奥行きがあり、駅のホームであったことが伺えます。
もともとオルセー駅はオルレアンやフランス南西部へ向かう長距離列車のターミナルでしたが、狭くて不便だったことから、1939年に近距離列車専用駅となり、駅施設を大幅に縮小したそうです。
その後、この建物はさまざまな用途に用いられ、取り壊しの危機をも乗り越え、1986年オルセー美術館としての歴史を歩み始めました。
市民からの取り壊し反対運動をきっかけに、フランス政府が保護活用を検討し、最終的に美術館として活用するなんて、「芸術の都」の名にふさわしい粋なエピソードですね。
2年がかりの大改修により、以前の面影を残しつつ、自然光と照明のバランスにも配慮し、より作品の奥行きを楽しめるようになったとのこと。
美術館としての性能が高まったオルセー美術館、ぜひ訪れてみたいものです。
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