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2011.4.28

旅をする木

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今日は東京23区内で気温が25℃を超え、夏日となったところがありました。
日中外に出ると、日差しが強く、汗ばむような陽気でしたね。
桜の季節が終わり、徐々に夏へと向かっていくようです。
梅雨に入る前のこの気持ちの良い晴天を、しっかりと楽しみたいものです。

さて、先の震災で自然の脅威というものを改めて感じられた方も多いのではと思います。
私は生まれが長野のため、海こそ有りませんでしたが、3000メートル級の山々に囲まれて育ちました。
身近に自然があったことで、いまでも木々に囲まれた場所にはとても癒されます。
一方で山での遭難のニュースや土砂災害も身近なことでしたので、自然に対しての畏怖の気持ちは知らず知らずのうちに身についていたと思います。
「自然は素晴らしく、そして怖い」
そんな気持ちをとても表してくれている本に出会いましたので、ご紹介したいと思います。
星野道夫 著 『旅をする木』です。

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非常にメジャーな本なので、ご存じの方も沢山いらっしゃるかも知れません。
著者である星野氏はアラスカの自然を撮り続けたカメラマンです。
彼の写真には、まるで目の前にいるような野生動物の姿や、息をのむ程に美しいオーロラがおさめられていて、いつ見ても少し緊張します。
ご紹介している本に写真は掲載されていないのですが、そんな星野氏が綴った文章もまた、とても魅力的です。

本の大半は、星野氏がアラスカをはじめ様々な国や地域へ行き、そこでの出来事や感じたことを綴ったエッセイです。
星野氏は自分はアラスカの、そして自然の一部だと自覚していて、文章や言葉の端々に、自然への尊敬、そして畏怖の念が伝わってきます。
その描写は生々しくて、この本を読んでいると、本当にその場に自分がいるとリアルに想像できます。

星野氏の自然観には、きっと多くの方が共感されるのではないかと思います。

「日々生きているということは
 あたりまえのことではなくて
 実は奇跡的な事のような気がします。」 ※旅をする木 本文より

写真と合わせて、是非読んでいただきたい一冊です。

藤森

◆◆◆◆

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