外構工事
見吉 政浩
不動産業の営業を経て、外構工事の会社へ転職。その後独立し、現在多くのテラジマアーキテクツの建物における外構工事を手がけている。現場監督の川島いわく「とても明るくて話しやすく、みんなに慕われている職人さんです」。
外構は、建物の外側にある構造物全体を指す言葉です。車庫、アプローチ、垣根など、外部に視覚的に訴える要素が強いので、家の中のインテリアのように重要な部分です。仕事内容で一般的なものは、土間コンクリートですね。これは地面に直接平坦なコンクリートを施工するもので、おもに駐車スペースやアプローチの施工に使われます。ほかにはコンクリートブロックで塀をつくったり、ウッドデッキをつくったりするのも外構工事の仕事です。最近では外側だけでなく、家の中に中庭や土間、ビルトインガレージをつくられるお宅も多いですね。
外構と一括りにいっても、さまざまな業者の人たちが関わっています。たとえば重機を使って掘削をする人、ブロックを積む人、タイル屋さんや左官屋さん……。私は番頭として全体を統括していますが、実際に現場に出て幅広い作業もお手伝いすることがあるので、いろんな意味で覚えなくてはいけないことはたくさんあります。
着工前に境界工事を行うこともありますが、家づくりの工程でいうと、基本的には最後の最後、竣工直前の工程で作業することになります。建物をつくっている段階では足場や外壁を覆うシートなどがまだあり、外からは現場の様子があまり見えません。しかし、外構工事が入る頃にはそのあたりが全部なくなっているので、ご近所の方に注目されることも多くなります。そこで作業中に周辺の方から声をかけていただいたりするとうれしい気持ちになります。また、外構工事を行うことで建物の周辺がどんどんきれいに完成されていく。そういう過程をみると、なんだか気持ちが高まります。
建物の中はお施主様自身が心地よく暮らすためにデザインされたものですが、外構(外回り)は、ご近所の方含めた地域の方全体に心地よさを与える部分でもあります。道路と建物の境界であり、建物より先に目に入ることも多いですから。機能性とともに、誰が見ても美しく素敵であるものを目指して日々仕事をしています。
テラジマアーキテクツの建物はデザイン性が高いので、失敗できないというプレッシャーがありますね。人力で砂利をたくさん運んだとか、大変だからこそ印象深い案件が多いです(笑)。また、図面上では良さそうでも、いざ現場で実際に取り掛かるとその通りにいかない部分も出てきます。その際に現場で気づいた点の指摘、意見も、テラジマアーキテクツの設計士や現場監督はしっかり耳を傾けてくれるのでありがたいです。それも信頼していただいているからこそなのかなと思っています。現場サイドの声をちゃんと拾い上げて、より良いものをつくろうという気持ちでみなさんいるのだと思います。
建心会は入りたての頃からいろいろと気にかけてくれた役員の方がいてくれて、これまでやってこられました。今ではその意志を継いで、柄にもなく私も建心会の役員をやらせていただいています。殺伐した現場でいいものはできません。いろんな職人の方と連絡を密に取りながら、楽しくチームプレーで仕事ができていると思います。