築年数の経過した住宅の建て替えのご計画。元々敷地南側に庭があり、その庭に向かって開くような間取りの住宅でした。建築会社数社に相談したところ、古い住まいとほぼ変わらないプランを提案されてしまい、+αの要素がほしいということからご相談を受け、始まったプロジェクトです。敷地内にある既存の美しい樹木を活かしつつ、更に中庭をつくることでどこにいても緑を愉しめる住まいに一新しました。
また、水廻りの動線をコンパクトに集約すること、生活は基本的に1階で完結できるようにしたい、というご希望から、キッチン→パントリー→ランドリールームをつなげて配置。大きな中庭を囲むプランではありますが、家事動線を集約することで暮らしやすさに配慮しました。
グレーのシンプルな外観。中庭を囲むプランであることから、道路側の窓は少なめに設定しています。
接道部の緑化に配慮し、ボリュームのある植栽を計画しました。
門扉を開けると左手にはアプローチ、右手には建て替え前のまま残した和風の庭が広がっています。元からあった石をきれいにレイアウトし、モダンな新居に似合うデザインに一新しました。
中庭に面した玄関。ちょうど緑が望めるよう、庭のシンボルツリーの位置に配慮しています。中庭越しにキッチンが見えるような配置となっており、帰宅した家族の気配が感じられるプランです。
玄関横の金庫などは以前のお住まいにあったもの。新居にも持ち込みたいというご希望があり、この位置にスペースを作りました。玄関前の廊下は階段ホールを兼ねており、少しゆとりのある空間となっています。
南側に緑豊かな既存の庭、北側に中庭が面した二面開口の吹き抜けリビング。庭が美しく見えるよう、窓の配置やサイズにこだわりました。また、プライバシーに配慮し南側の開口は小さめに設定。採光は安定した明るさを得られる北側を中心に計画しています。
大らかな吹き抜けの大空間に梁を見せないよう、構造面については検討を重ねました。
ダイニングとリビングの間には大きな二枚扉があり、必要に応じて仕切ることができます。
本を数多く所有されているというオーナー様のご要望に合わせ、テレビ背面壁の裏手に大きな書棚を設置。書斎として活躍するセミオープンな空間をつくりました。
テレビ左側に設置した柱は、3人のお子さまの身長が刻まれた思い出の詰まったもの。以前の家から移設しました。
アルノで製作したペニンシュラキッチンとバックセット。外から見えない位置に二台の冷蔵庫を設置するスペースとパントリーを設け、すっきりと見えるキッチンを計画しました。
コンロ奥の壁には大理石調の模様のネオリスの一枚板を使っています。タイルと異なり目地がないため、清掃性に優れています。
庭に面したダイニングには、緑の景色を楽しめるようにテレビ両端にバランスよく窓を計画。オーナーさまが選定されたペンダントライトをバランスよく見えるよう、高さを変えてリズミカルに配置しました。
一枚板のダイニングテーブルは以前の家で使用していたもの。一階のフローリングは、このテーブルの色味に合わせて決定しました。
各部屋を繋ぐ一階の廊下。どこにいても中庭越しに家族の気配を感じられます。
中庭と室内をよりシームレスに感じさせるため、床とタイルの高さを極力近づけました。
建物に四面を囲まれた中庭。ボリュームの調整を行い、近隣の建物からの視線を遮りました。南国風の雰囲気にしたい、というご希望を受けて選定したシンボルツリーと白いタイルが鮮やかな空間です。
屋外でより快適に過ごせるよう、タープを吊るためのフックを設置しています。
バスルームに隣接した家事室。洗濯機の周りに洗濯物を畳むためのテーブル、衣類を仕舞える収納、外の物干し場への扉が集約されており、一連の家事をスムーズに行えます。
グレーを基調としたトイレ。ダイニングの近くにあり、来客の使用を想定したものとなっています。
白とグレーのタイルのレイアウトは複数のパターンを検討し、ミラーや洗面化粧台と被らず、より美しく見える配置を検討しました。洗面化粧台はキッチンと揃えてアルノでオーダーしました。
3人のお子さまが一緒に遊ぶ場所として計画した階段上の空間。造作の本棚には漫画等が並び、ベンチ代わりにもなるように計画しました。
子ども部屋はそれぞれお子さま自身が好みの色や柄の壁紙を選びました。写真は3つの子ども部屋のうちのひとつですが、それぞれ個性的な空間となっています。扉のないクローゼットはお子さま自身が衣類を片付けるのに便利です。