2023.11.24
株式会社LIXIL主催「LIXILメンバーズコンテスト2023」新築部門にて
2023年に竣工しました【東京都大田区Y邸】が空間デザイン賞エクステリア部門を、【東京都S邸】が地域特別賞/空間デザイン賞TOSTEM部門を受賞いたしました。
敷地はL字型の変形地で、周辺は閑静な住宅密集地。マンションなどの高い建物は少ないものの、南側に接する公園は通り抜けが可能であり、近隣住民が頻繁に往来するため、外からの視線が届きやすいことが課題でした。プランニングにおいては、敷地南側の緑豊かな公園の借景を取り込みつつ、外部からの視線を遮り、プライバシーを確保することを重視しました。また、仕事やお子さま関係の来客が多いことから、玄関付近を雰囲気よく、おもてなしの心が伝わる空間にしたい。そして、寛げるバスルームを作りたいというご要望がありました。
そこで、L字の変形地であることを利用し、飛び出た部分に敢えてリビング空間を配置。中央部分にプライベートバルコニーを配置することで、南側の借景とバルコニーに挟まれた抜けのある空間を計画しました。公園側の開口部にはロールスクリーンを設置し、明るい室内が外から視認しやすくなる夜間のプライバシーに配慮していますが、バルコニーは建物に囲まれているため、暗い時間帯でもカーテン不要で、植栽のライトアップなど非日常感のある景色を作って愉しめるようにしています。
門扉から玄関、玄関からLDKのある階段への動線にそれぞれ緑を配置し、雰囲気のあるおもてなしの空間を演出。主寝室・WIC・シャワールームをホテルのような連続した配置とし、来客と家族がそれぞれ気兼ねなく楽しめるゾーニングとすることで、寛げる空間構成を実現しました。
■設計:株式会社テラジマアーキテクツ(基本設計:深澤 彰司、実施設計:鴨下 菜穂)
施工:株式会社テラジマアーキテクツ
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敷地も広くボリュームのある建物の計画であるものの、お施主様は毎日の家事がしやすく、シンプルなプランであることを希望されていました。また、同時に開放的な空間であることを重視しており、プライバシーが確保され、かつ近隣の緑を眺められるテラスが欲しいという希望がありました。また、内装についても人工的ではなくテクスチュアがあり、個性を持つ素材を使って仕上げたいという要望がありました。
工夫は大きく分けて3点です。まず「回遊型」であることです。施主へのヒアリングから検討した結果、家事空間は通り抜け型のパントリーに洗面→ファミリークローク→ユーティリティと繋がる回遊型としました。家全体も2階は中庭を囲む回遊型で、利便性に配慮しています。
二つ目は「コントラスト」があることです。大きな住宅内で場の移動にリズムが生まれるよう、空間の大きさに抑揚を付けました。天井の低いアプローチから玄関を通り、中庭に視線が抜ける広いホールへ。階段を上がると大きなダイニングキッチンから高天井のリビングへは天井高を抑えた中間領域を経由します。テラスも屋根付き、可動屋根付き、屋根無しの3種類の空間を設けコントラストを持たせています。
三つ目は「スケール感に応じたテクスチュア」です。大空間のLDK、落ち着いたPCスペースや和室・寝室、小さな書斎と多様な空間の混在に対し、場所に応じた質感を持つ仕上を選定し、空間の特性を引き出しました。
■設計:株式会社テラジマアーキテクツ(基本設計:深澤 彰司、実施設計:伊澤 杉人)
施工:株式会社テラジマアーキテクツ
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今回のコンテスト応募につきまして、ご快諾くださいましたお施主様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
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