神奈川県鎌倉市の閑静な住宅街に位置する、3階建ての二世帯住宅です。1階は親世帯、2・3階は子世帯の空間として設計されています。
オーナー様のご希望は、邸宅全体のプライバシー確保と、1階親世帯の十分な採光と開放感でした。隣地側には壁を設置し、近隣のマンションからの視線を遮断。さらに、敷地中央に中庭を設け、光と風を取り込む設計としました。
2階・3階のバルコニーをずらして配置し、上階に行くほど広がる屋外空間「立体テラス」の効果で、1階の中庭にも十分な光を届けることが可能になりました。この「立体テラス」は、家族間の緩やかなコミュニケーションの場にもなります。
また、1階には2層分の大きな吹き抜けを設け、暗くなりがちな1階部分に広がりと明るさをもたらしました。
家族全員の心地よい暮らしを育む、豊かな二世帯住宅が誕生しました。
2・3階が子世帯空間。リビングダイニングが3階にあり、帰宅時にお子さまがリビングダイニングを通って各々の部屋に戻る「リビングアクセス」の動線を作りたいというご要望から、子世帯の玄関はエレベータで上がった先の3階ホールに設定しました。
大きな窓から中庭を見下ろし、奥のバルコニーを見通すことができます。
2階の個室には、階段を使って移動します。
約2.7帖の家族共用シューズクロークです。3階ホールに隣接しています。
靴を収納する棚の他、手前側には有孔ボードを設置して、自由に荷物を格納できるスペースを作りました。
中庭の吹き抜け、テラスに面した大きな窓が連なるリビングダイニングです。
一方、西側の壁には窓を設けず、外からの視線が届かないように計画しました。壁にはお子さまが学校等で制作した作品などを飾れるように、ピクチャーレールを設置しています。
愛犬の脚に配慮し、グリップの効く屋外用のタイルを床に使用しました。
奥さまのご希望で、アイランドキッチンの天板を側面まで下ろし、コの字を伏せたような形に仕上げました。
大容量のバックセットのほか、パントリーが併設されており、冷蔵庫を含めて機器類はすべて収納に格納しました。
■Kitchen：Living Products（リビングプロダクト）
■Oven：Miele（ミーレ）
■Wine cellar：LIEBHERR （リープヘル）
室内外で同じ床材を使用し、バルコニーの軒部分にも室内天井と同様木を貼ることで、屋内外の連続性を高めた広がりのあるリビングです。
天井高は約2.5mですが、体感的にはより高く、広々とした空間に感じられます。
ハンモックで本を読んだり、プールを広げたりしたいという具体的なご希望に基づき計画しました。
ハンモック用、日よけのタープ用のフックを設置しています。
手すりの先には、中庭と2階のバルコニーを見下ろすことが出来ます。
トイレ洗面一体型の、コンパクトなサニタリールーム。
床と壁に同じタイルを使って、空間の一体感を出しました。シックな空間に、間接照明で彩を添えています。
照明の当たるトイレ奥の収納部分には、壁紙を貼って収納に見せないよう工夫しました。
■Wash Basin：Living Products（リビングプロダクト）
子世帯の各居室や寝室のある2階にも、バルコニーを計画。
お花好きの奥さまが植物を飾って楽しんだり、リビングとは別の子どもたちの居場所となるように広々と作りました。
オーナーさまは世帯間のプライバシーに関して、完全に遮断するのではなく、適度な距離感と緩やかなつながりを希望されていたため、ここから1階親世帯の中庭とリビングが見下ろすことで互いの気配を感じられるように計画しています。
お子さまの作品を飾る場所が欲しいというご希望から、来客を通さないプライベート空間である2階の階段ホールを共有のギャラリースペースとして計画しました。白のシンプルな仕上げに、ピクチャーレールを設置。色とりどりの作品が賑やかに空間を彩っています。
プライベートフロアである2階の洗面室は、他人の目が届かない場所であることから、個室ではなくオープンな洗面室に。
その先には脱衣室→浴室→ユーティリティがつながり、回遊できる便利な配置としました。
洗面台は壁付けとし、宙に浮いたようなデザイン。現在はこの下に愛犬のトイレなどを設置しているそうです。
ユーティリティ内にはカラフルな壁紙を使って明るく仕上げました。
親世帯のための1階玄関。中庭に面していて、非常に明るく気持ちのいい空間となりました。
1階リビングはフローリングで心地よい仕上げに。白いオーダーキッチンを合わせて軽やかな雰囲気になりました。
キッチンに立つと、目の前にはもみじの姿を望めます。
■Kitchen：GRAFTEKT （グラフテクト）
天井高を抑えたダイニングと、吹き抜けのリビング。
奥に進むほど空間が広がります。
1階に開放感をもたらす、ダイナミックな吹き抜けのあるリビングです。
天井には木目調の壁紙を使用。中庭のほか高窓からも光が入り、青空も望めます。
お母さまのご希望でもみじを植えた中庭。
季節ごとの彩を楽しませてくれます。
見上げると、2・3階バルコニーにそれぞれ視線が届きます。
ダイニング、ソファの上部にダウンライトを集中的に配置し、明暗をはっきりさせることで雰囲気を出しました。
壁の間接照明は、ダクトを通すことで段差が生まれてしまった部分を上手く生かして計画。ライン状の光が奥行きを演出し、空間のアクセントにもなっています。
中庭、バルコニーには夜になると光が灯ります。
室内からこぼれる光と相まって、非日常感のある景色を愉しませてくれます。
