東京都世田谷区に建つ、耐震構法SE構法3階建ての邸宅です。
オーナーであるS様が家を建てるにあたり重視したのは、子どもたちが安心して暮らせる環境であること。
治安のよい地域を選んで土地を購入し、プランニングにおいても防犯性を重視していました。
そして、明るく心地よい住まいにしたいというご希望がありました。
ご提案したのは、中庭を擁する都市型住宅プランです。
道路・隣地側には大きな窓を設けず、中庭に向かって開く間取りとすることで、外部からの侵入を防ぐ計画としました。
LDKには耐震構法SE構法ならではのダイナミックな吹き抜けを設定。
外からの視線が届かない中庭や高窓から光を取り込む、開放的な住まいになりました。
インテリアはグレーを基調としたホテルライクなイメージにまとめています。
少しずつ色味の異なるグレーの壁紙や面材を組み合わせて、奥さまのこだわりのニュアンスを表現しました。
この邸宅のプランニングにおいては、外部からの干渉を防ぐことと内部の開放性の両立が最大のテーマとなりました。
また、敷地の高低差の解決が課題でした。
高低差のある敷地。地面の高さに設置する水切りが極力目立たないように、出来るだけ細く設定するとともに、基礎部分にも外壁と同じ材を使用して境目を意識させない工夫を施しています。
グレーの外壁に、門扉やポストなどは黒で統一してすっきりと仕上げました。
また、防犯性を高めるため、外からの侵入の足掛かりとなるような部分を極力排除したデザインとしています。
壁で囲んだアプローチ。採光のための窓は防犯性を損なわないよう、スリット窓のみとしました。
敷地の高低差を活かし、ごみを一時的に置く場所として床下収納を計画しました。
照明とミラーが印象的な玄関ホール。
S様が設置を希望されていた姿見のサイズ・位置に合わせてスポットライトを設置し、フォーカルポイントとしました。
日常的に使用する靴や小物をしまったり、装飾を愉しむための棚が欲しいというご希望から、既製品の収納を壁付けで設置。季節ものはシューズインクローゼットに、と収納を使い分けることで、すっきりと片付いた玄関をキープできるように計画しています。
小さいお子さまの安全に配慮し、折り返し部分が平場になるように段数を調整。転落防止のため手摺の中桟のピッチを狭めにしつつ、美しく見えるように計画した木製階段です。
中庭に面した大きな窓から光を取り込み、上階から下階に光を落とします。
キッチン、ダイニング、リビングが直接に並ぶLDK。大空間を支えるためにある梁型に間接照明を入れることで、空間にリズムと個性を生み出しました。
濃淡のあるグレーの壁紙を数種類組み合わせてデザインしています。
対面キッチンが人気ですが、こちらの邸宅では壁付けのキッチンと作業台としてアイランドカウンターを制作しました。
60センチ角のタイルがぴったりおさまるよう、キッチンの長さはタイル5枚分の3メートルに設定。
引き出しの取っ手など余分な凹凸がでないよう、すっきりと仕上げました。
アイランドカウンターで朝食を採りたいというご要望から、適切な通路幅を設定し、回遊しやすい使い勝手の良い空間ができました。
収納部分は持ち物に合わせて無駄なく計画。さらに、奥にパントリーを併設しています。
■Kitchen:Living Product(リビングプロダクト)
ダイニングからリビングにかけて広がる、二層分のダイナミックな吹き抜け空間。
高窓から光差す、心地よい空間です。
テレビ前は今はお子さまの遊び場に。
安全のため敢えてテレビボードを作らず、テレビは壁掛けにしてすっきりとおさめました。
防犯性を高めるため、外向きの窓を極力避けたこの邸宅において、中庭は採光面で重要な役割を持っています。
シンボルツリーとして植えたのはシマトネリコ。手入れの手間が少なく、育てやすいことで人気があります。
より繊細で美しい佇まいを愉しむことができ、背が高くなりづらい株立ちの樹形を選びました。
グレージュ色で柔らかな印象に仕上げた水廻りと、清潔感溢れる家事室です。
洗面台には清掃性を重視し、シンクと天板を継ぎ目なく造ることが出来る人工大理石を採用。
家事室の収納は使用する収納グッズのサイズに合わせて計画しました。
幼稚園に通う女の子のお部屋。
当時まだ小さかったお嬢様の代わりに奥さまが選んだくすみピンクの壁は、空に昇っていくランタンをイメージしたステッカーで彩られ、映画のシーンを彷彿とさせます。
2つある子ども部屋の間には共有スペースを計画。現在はお子さまの作品を飾っていますが、いずれはアップライトピアノを設置出来るように計画しています。