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2016.8.31

夏の過ごし方

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設計の池田です。

気温が35度に近づく日が増えてきたこの頃、みなさんはどうお過ごしでしょうか?

私は自宅を建てて1年と少しが経ちましたが去年と今年の夏にある過ごし方を実践しています。
それはナイトパージという方法です。

ナイトパージとは、外気温の下がる夜間に窓を全開にして室内に外気を取り入れて
床や壁など躯体に蓄冷(冷たい温度を溜めておく事)をさせて、
朝、気温が上がる前に窓を閉じてしまう事で冷たい空気を逃がさず空調負荷を低減させると言う方法です。
我が家では床を炭モルタルで仕上げて蓄熱体にしています。

断面図.jpg

実際に我が家でナイトパージを実践した気温の変化を調べてみました。
2016年8月14日気温変化(説明).jpg
AM6:00に窓を閉めたのでそこから室内気温は上昇を始めます。外気温は6:30まで下がりましたがその後上昇し始めます。
蓄冷の効果もあり、室内の気温上昇は外気温に比べて緩やかな事がわかります。
日が高くなるにつれ外気温は急激に上昇し、AM8:30頃に室内と室外の気温差が逆転をしました。
その後も外気温は上昇を続けPM3:00頃、この日の最高気温32.5℃を記録しました。
一方室内の気温は緩やかに上昇を続け、28℃付近まで上がるも、その後は土間からの放冷効果もありほぼ横ばいで
28℃を保ち続けました。
PM7:00頃になると外気温が下がり室内と同程度になったため窓を開け外気を取り入れ始めた為、
外気温の下降に合わせて室内の気温も下がっていき翌日のための蓄冷をはじめました。

結果的に外気と室内の最高気温の差は約4℃、省エネを意識してエアコンの設定温度を28℃に設定をするならば
エアコンを使わずに同じ状態を作り出せていたという事になりました。

FLIR0076.jpg

サーモグラフィで確認すると最高気温を記録したPM3:00頃でも土間は25℃を保っていてここからの放熱で
室温の上昇を防いでいることが分かります。

もちろん、このナイトパージは万能という分けではありません。
夜の気温が下がらなければ十分に冷気を溜め込めませんし、
夜間に窓を開けっぱなしにするので防犯もしっかりしないといけません。
もちろん通風を考えた間取りにする必要もあります。

我が家では防犯と通風を両立するためにこんな工夫をしています。

前庭部分をルーバーで囲い、窓を開けても防犯性を確保します。
1445753399819.jpg
小さな窓には簡単に取付けが出来る可動式のルーバー面格子が簡単で便利です。
1201_SA_0006A.jpg

1201_SA_0007A.jpg

通風の次に大事な事は日射遮蔽です。
夜間溜めた冷気をなるべく温存するためには昼間の日射をいかに室内に入れないようにするかが重要です。
我が家では庇をつけたり、格子を閉めたり、落葉樹を窓近くに植え、葉で影を作るなど方法を取っていますが、カーテン等内側で遮蔽するよりも効果が高いのが外付けのロールスクリーンなどです。
1305_SA_1005A.jpg
この際、日影をより大きく作るようにすることがポイントです。
窓の外の地面やバルコニーが熱されてしまうとそこからの放射熱が室内を温めてしまうからです。

このような機械設備になるべく頼ることなく暮らす住宅のことを「パッシブハウス」と言います。機械設備に頼らない分、住人はアクティブに動く必要がありますがこんな暮らしはいかがでしょうか?

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