水道工事
二ノ宮 直樹
水道工事の仕事をしていた父親の背中を見て育ち、後を継ぐかたちで自身も水道業界へ。現在は建心会の会長も務めている。現場監督の川島いわく「気さくで飾らない人柄の持ち主で人望が厚く、いつもエネルギッシュ。誰よりも熱い男です」。
水道工事は家づくりにおいてとても工期の長い仕事です。まずは工事前の仮設工事。職人たちが作業をする際に必要な水を出す工事です。そのあとは基礎工事に伴う給排水工事を基礎屋さんと連携しながら行い、地中配管の埋設を行います。次に外回りの給排水の配管工事。土を掘っての作業です。上棟したら床下などの配管工事をし、水回り全般を整え、給湯器の設置などを行い、最終的に水が出るようにします。上下水の検査までを行ってやっとお客様に引き渡します。
水道工事というと、テレビCMで見かけるような、蛇口や排水口のつまりを修理する仕事と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にこれらの作業をすべて行っています。この工事は繋ぎ方を間違えれば漏水の危険があったり、飲料に適さない水を給水してしまう可能性があったりと、素人が簡単に行えるものではありません。給水装置工事主任技術者などの国家資格を持った、専任のスタッフが作業を行います。
蛇口をひねれば水が出る。お風呂の水が排水される。これらは今や生活においては当たり前のことです。その当たり前をつくっているのが私たちの仕事です。配管がいい加減に繋がれていたら大変ですよね。表に出ない仕事ではありますが、みなさんの生活を支える側面を思えばとてもやりがいを感じます。
父がもともと水道工事の仕事を生業にしており、私は小学生の頃から父の仕事の様子や現場を見てきました。そしてそこで、継続してやることの大切さを学びました。仕事としては地味な部分も多いのですが、日々やっていくことで「心を得る」ということを最近身にしみて感じています。体力・知識・工程管理がものを言う仕事です。現場監督、テラジマアーキテクツの方から信頼を得て任せてもらえているというのもやりがいですね。
テラジマアーキテクツの物件は間取りが他社と全然違いますね。たとえば建売住宅ではキッチンの近くに洗面やトイレ、お風呂を集めてしまうことが多いのですが、テラジマアーキテクツの物件はそういうことがほぼないです(笑)。自由設計ならではの難しさはありますが、それもやりがいにつながっていると思います。
スタッフの話をすると、若い方が多いのに、いい意味で田舎臭い精神を持っている方が多いですね。「義理と人情」、というと古めかしい言い方かもしれませんが、そういう部分を感じさせる人ばかりです。私たち職人はそういう人たちが結構好きなので、ありがたいです。私は10年以上お付き合いをさせていただいていて、今は建心会の会長を務めています。建心会は、職人たちが仲よくいいものをつくろうとする気運を感じます。よりよくするための話し合いもしますし、今は会長としてみんなが出してくれた意見を積極的に反映しようと努力しているところです。