2015.4.6
設計の池田です。
先日、六本木ミッドタウンの21-21美術館で開催されている「単位展―あれくらい それくらい どれくらい?」に行ってきました。
私たちが普段何気なく使っている様々なモノやコトは形や数量、大きさ等が一定でない物がたくさんあります。
それを他の人に伝える時、共有する時、そのために発明された知恵が「単位」です。
単位は様々な国で生まれ、使われてきました。日本では畳の枚数で部屋の大きさを測って「○○畳の部屋」と言ったり、
押入れの大きさを寺社建築を元とした柱の間隔で測り「○○間の押入れ」と言ったりします。
実際に「9.9㎡の部屋」と言うより「6畳の部屋」と言った方が広さのイメージが掴みやすい人も多いのではないでしょうか?
そうして様々な国で使われてきた単位も人々の生活が国をまたぐようになってくると、
それぞれの統一した単位が必要になって来ました。
その必要性からメートルやキログラムなど今日ではなじみ深い単位が生まれたのです。
この鉄の棒、教科書などで見た事がある人もいるかもしれません。
これはメートル原器と呼ばれるものです。
私たちが普段何気なく言っている「○メートル」と言うのは、
この棒が基になってこの棒何本分の長さかという事を言っているのです。
ではこの棒はどうやって決められたのかと言うと「北極点から赤道までの距離を測って、
1000万分の1にした長さを1m」と決めたのです。
(ただし、現在は真空中で光が1/299792458秒に進む距離と再定義されています。)
今回の展示はこんなちょっと眠たくなるような話だけでは無く、体感できる展示も数多くあります。
例えば、「リンゴの大きさってどれくらい?」と聞かれて手で大きさを作ってみる展示や
「1斗樽から何杯のお酒が飲めるのか?」などが見た目に分かりやすく展示されていたりして、
お子様と一緒に見に行っても楽しめる展覧会になっています。
身近に使われている単位の一つでパスタスケールも素晴らしい発明の一つですね。
本来「重さ」で測っていた「1人前」のパスタの量を「穴を通るパスタの束の大きさ」に変換して
より手早く簡単に測る事を可能にしている道具です。
(まぁ、食いしん坊な私から言わせると「誰の胃袋の量に合わせた1人前なのか」と問いたくなるくらい
少ない量だと思っていますが…。)
その中で面白かった展示の一つをご紹介します。
「文字」を同じサイズの同じ素材で作った時、それぞれの言葉の重さはどちらが上か?という展示で
長年にわたって議論され続けて来た争いに答えが出されていました。
さて、見ていただければ一目瞭然ですね。
仕事と家庭では家庭の方が重いのです。
働きすぎのご主人様方、ワークライフバランスを取る為にご家族連れで21-21美術館に出かけてみてはいかがでしょうか?(笑)
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