2012.2.15
『井上雄彦 meets ガウディ』
スラムダンクど真ん中世代の私が、手に取らずにいられるはずもなく。
まんまと購入してしまった本がこちら。
井上雄彦 『pepita(ペピータ)』
内容は井上氏がガウディの足跡を訪ね、イラストと自身が撮影した写真、そして文章で、独自視点でガウディ像を探したエッセイです。
漫画家の域を超えた活動にも注目される井上氏の作品の魅力は、何といっても「人物の描写」。
写実的でありながら、漫画らしさもある絶妙な作風は、この著書でも健在で、ファンの方であれば眺めているだけでも楽しめます。
この本を作るにあたり、井上氏が日経に寄稿したインタビュー記事に非常に共感しましたので、少しご紹介させていただきます。
「漫画であれ何であれ、固く丈夫な枠に覆われて、守られているけどその中で完結しているように見えるものより、その枠を飛び越えようとするものに興味が行くようになった。
僕らの街のいたるところにある、四角四面の固い直線に終始している建物は、今言ったような「枠」そのものの象徴とも見える。
(ただし、自分自身が建築に関する知識がないだけで、見る人が見れば意味があるし、その形でなければならない理由があるはずだ。と補足して)
では、ガウディのあの作品群は何なのか。
あれが「内側からの必然により枠を飛び越えるもの」でなくて何なのだ。 」
「たぶん建築物そのものよりも、あの建物(生き物?)をつくるにいたったガウディという人に対する興味があったのは間違いない。 」
ガウディが時を超えて世界最高の建築家であり続け、今も彼の作品が人々を魅了してやまないのはなぜなのか。
そのひとつの答えが、井上氏の言う、「建築という枠を飛び越えた建物(生き物?)」を造ったから。
ガウディの建築を「生き物?」と表現されていますが、これがなんともしっくりきます。
ガウディが動植物などの自然にモチーフを求めていたことは有名な話ですが、建物に耳をあてれば血の巡る音が聞こえてきそうな、有機物のような佇まいは正に「生き物」。
構造的にこう素晴らしいとか、専門的な理由を挙げていけばきりがないのかもしれませんが、井上氏のように建築の知識がなくとも感じる「生命力」とか「躍動感」のようなものが、実はガウディの建築の一番の魅力なのかもしれません。
と、なんだか長くなってしまいましたが、
・建築は詳しくないけれど、ガウディは知っている。
・井上雄彦の作品を愛している。(祝・バガボンド再開!)
そんな方にはお勧めの一冊です。
terajima staff
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