2010.12.3
先般お客様と資産価値について少しお話させて頂いた事がございます。
建物の資産価値は、その時の情勢や不動産価格(路面価格)、
不動産的見解と銀行的見解など色々な要素がございますので、
一概に金額がいくらですとは、お伝え出来ないのですが、
考え方としましては、下記内容をご参照ください。
日本では多くの人が住宅に『使用価値』を求めています。
自分たち家族が住むための使い勝手や快適性を追求していくのです。
家の中だけでなく、外観も自分たちの憧れを表現します。
プロバンス風や、煉瓦の家、ログハウスなど・・・
「私達が大金をはたいて買うのだから、
これまでずっと温めていたあこがれの住いを実現するんだ!」
「私達の土地に、私達のお金で自由な建物を建てるのよ!!!」
憧れや趣味だから誰からも、とがめられるものではありません。
しかし、自分たち以外の家族にとって使い勝手がいいとは限りません。
むしろあまりにも個人的な好みが入りすぎると
他人から見れば、欠点ばかりが目につくかも知れないのです。
「プロバンス風なんて、一昔前のデザインじゃない!」
「部屋数が少なすぎる!」 ますます、中古での売却価格は下がっていきます。
▽ ▼ ▽
一方で、アメリカの家に対する考え方は『交換価値』です。
つまり、『貨幣価値』と同義語なのです。
これは、万人にとって使い勝手の良いプラン、
将来にわたって価値を失うことのない建築様式、
整った街並みに、建物の外側(外構含む)は社会資産という考え方です。
中古住宅として売却することを見込み、
建物だけでなく庭の手入れも怠りません。
そこで出て来る考え方としまして、『スケルトン・インフィル』にな
ります。
一般消費者には耳慣れない言葉かも知れませんが、SE構法におきまして
、住宅の基本性能とコストバランスを取るのに重要なキーワードです。
『スケルトン』とは、基礎や柱など後から簡単に取り替えることが
出来ない
構造体のことです。人間でいえば骨格や神経系を示します。
『インフィル』とは、内装の仕上げや設備機器など、リフォームで 簡単に
取替え可能で、基本性能にはあまり関係のない部分を指します。
例えばテナントビルなどをイメージすると分かりやすいでしょう。
▼『スケルトン』は建物本体で、コンクリートの構造体や
壁、床、天井の内部に埋め込まれた設備配管などを示します。
これ自体は、ビルのオーナーの予算で建てられ、管理されます。
▼『インフィル』はテナントが工事する内装や設備機器、看板など
です。
先月まで和食のお店だったテナントが、全くイメージの違う
ファーストフードのお店になるようなものです。
厨房の装置も、レジも客席も全く違うイメージになりますよね。
しかし、建物自体の性能や、上下水道の配管などは変わっていない
のです。
『スケルトン』がしっかりしていれば、
『インフィル』は何度でも交換可能なのです。
間取りや広さに多くのタイプが交じっていると、つまり可変性に優れ
ていますと管理が適切に行われて資産価値が保たれやすいという。
この考え方が出来るのが、最大のSE構法の特徴になり、この考え方を在来工法や2×4工法で
実現する事は、 難しいとされています。
また、資産価値を上げる方法としまして、例えば住宅性能評価など
もございます。
こちらは、第三者機関により住宅の性能を設計から施工まで定期的に検査される
ことも、建物の性能証明書として残るので良いかと思いますが、費用もそれなりに掛
ります。
建物の資産価値は、住み始めた日より下がって参りますが、その中
で建物に対しての付加価値が付く事で、
資産価値下げずに保てるのではないでしょうか。
皆様も家づくりの際には頭の片隅に入れて頂ければと思います。
◆◆◆◆
▼『SE構法・重量木骨の家 経営者ブログ』建築家・寺島茂ブログはこちら▼
▼お問合せ・ご来社予約・見学会お申込みなどはこちらから▼
info@terajima.co.jp
▼【開拓者たち】予告編▼
▼【開拓者たち】メイキングの様子▼
▼【開拓者たち】DVD & 【Design Gallery(建築家作品集)】 CD のセットはこちらから▼
▼テラジマアーキテクツ・最新イベント情報はこちら▼
▼テラジマアーキテクツ・作品集▼
▼「長期優良住宅」が標準仕様です▼