東京都品川区M様/2022年8月竣工
家族構成:ご夫婦・お子様2人
マンションの住み替えを検討されていたM様。そこから注文住宅へと舵を切り、断熱性やデザインなどのこだわりを実現できる会社を探し始めます。
紆余曲折ありながらも、妥協することなく理想の住まいを実現できたというM様ご夫婦に、そのエピソードをお聞かせいただきました。(写真は竣工当時のもの)
私たちが家を建てることになったきっかけは、マンションの生活が手狭になったことでした。当初はマンションを探していましたが、広さや立地の条件が合うものが見つからず、視点を変えて戸建てに目を向けたところ、偶然この土地が空いていました。土地を先に購入し、次に建築会社を探し始めました。私たちの希望を叶えてくれる、自由度が高い設計をしている会社を探しました。マンション探しから始めてテラジマアーキテクツと家づくりを始めるまで、5年ほどかかりました。
コンロを壁側に配置したアイランドキッチン。レンジフードを背面収納の中に収める形にしたことで、すっきりとした印象に。
テラジマアーキテクツを選んだ理由は、その柔軟性でした。大手のハウスメーカーでは土地の制約を理由に、私たちの希望通りの図面がなかなか出てきませんでした。そんな中テラジマアーキテクツは、狭い土地であっても最大限のプランニングをしてくれて、五角形の形をしたプランが気に入りました。
柔軟性・デザイン性がありながら安心してお任せできる会社を探す中で、テラジマアーキテクツで建てられたオーナー様のブログを目にしたことも、決め手のひとつでした。そのお宅がとても好みのデザインで、この床にしたいな、キッチンはこういう風にしたいなと、イメージが膨らみ、家づくりが楽しみになりました。
こだわりの玄関ドア。厚みがあり、断熱性に優れている。
洗面所、脱衣室、浴室がつながる。小さなお子様と一緒でもゆとりある大きさ。
元々はグレードの高いマンションに住みたいと思っていたので、お金をかけても断熱性やグレード感は妥協したくありませんでした。断熱性能には特にこだわり、寒冷地仕様の玄関ドアや三重ガラスの窓を採用しました。
実際に住んでみて、とても快適です。こだわって建てただけあって、気持ちが良いですね。
広さに関しても、どうしても土地が狭いので「狭いだろうな」と思っていたのですが、マンションと比べると脱衣所など色々なところに余裕がありました。
訪れた友人に「良い家だね」と言ってもらえることが嬉しいです。
リビング階段は子育て世代に人気のプラン。上階の子供部屋との行き来の際に、顔を合わせることができる。
子供部屋。お子様が小さいうちはひとつで一緒に遊べるようにし、成長したら仕切り壁を入れふたつに分割できるフレキシブルな間取り。
契約後の打ち合わせは30~40回に及びましたが、毎回担当の鴨下さんが真摯に向き合ってくださいました。時には一度決めたことを覆すような変更もしてしまいましたが、快く対応してくれたことに感謝しています。実はテラジマアーキテクツと契約する前に、他社と契約し打ち合わせを進めたものの、柔軟性や信頼関係の問題で解約に至った経緯がありました。そのため、柔軟な対応をしてくださることが本当にありがたかったです。
家づくりを進める中で頭を悩ませたのは、資金計画です。私たちの理想をすべて実現しようとすると、現実的ではないものもあり、予算オーバーでした。例えば、リビングに暖炉を入れたかったのですが、鴨下さんから収納を作った方が良いとアドバイスされてやめました。他にも壁のタイルの範囲を調整して予算を削るなど、採用しなかったアイデアもありますが、すべて相談して納得のうえで決められたので、不満が残る部分はありません。要求の多い我々でしたが、とても満足のいく家に出来ました。
時間をかけてしっかり打ち合わせを重ねたことが、良かったと思っています。私たちは断熱性に特に強いこだわりがありましたが、それは話さなければ設計士さんにはわからないことです。何を望んでいるのか、私たちもしっかり時間を取って考えましたし、鴨下さんもそれに付き合ってくれました。
打ち合わせは2週に1回、その度に休みの半日を費やしましたし、時には意見が対立することもありました。毎回議事録を作成していたので「仕事みたいだな」と感じつつも、面倒に思うことはなかったです。自分たちのやりたいことが実現に向かっているという感覚があったので、とても楽しかったです。お金があれば、もう1回家を建てたいなと思うほどです。家づくりをするのなら、その過程も楽しめると良いですね。
コンサルタント:深田 直
設計:鴨下 菜穂
施工管理:関谷 学
本物件では住宅性能と意匠性、どちらも十分満たすことを目標に設計と打ち合わせを行いました。また立地が都心部のため、要素を効率的に空間へ落とし込む、敷地の有効活用も課題の一つでした。
性能面では、省エネルギーの両輪である、断熱性強化と再生可能エネルギーの導入が挙げられます。
断熱は外張り断熱材に充填断熱材を付加し、かつ高性能樹脂窓をメインに使用することにより
ZEH水準(0.6W/㎡K)を大きく上回る0.34W/㎡Kを実現しました。よって外気による影響が極めて少なく、通常より低エネルギーにて一年を通して安定した住空間を保つことが可能となりました。
また、代表的再生可能エネルギーである太陽光発電を採用しました。環境保全に貢献するのみでなく、電気代抑制、停電時の自立運転等のメリットがあるため
長くお使いいただくほど満足いただけるかと思います。
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意匠面では、材料や設備等、色調やテクスチャーを調和させ、かつ好みも混ぜつつ、
眼前にある候補の中でベストなものを選択出来たと自負しております。
カスタム性の強いオーダーメイドユニットバスの採用に関しては、フレームレスガラスドアや大判タイルという意匠性と、工場パネル化によるメンテナンス容易さ、防水、断熱などの性能がとても良いバランスになっていると感じました。
真下様ご夫妻は、コロナ禍にも関わらず主体的に打ち合わせへ参加していただき、
毎回打ち合わせと並行処理で議事録作成、決定と検討事項を明確に区分し管理する等、
同じ山を登るパーティの如く、設計者として厚い信頼と感謝の気持ちを持っておりました。
敷地の有効活用のため、真下様のご希望の中には実現出来なかったものもありますが、
一つ一つの事柄に関して真摯に設計と向き合ってくださった事に御礼申し上げます。
安心できる快適な住まい、そして私の愛する空間のひとつになりました。