計画地は建蔽率40%の厳しい条件を持つ敷地でした。屋外空間を室内空間に取り込む構成とすることで、室内をより広々と開放的に感じられる空間を作り上げました。LDKを囲むように配置した2つのテラスは、採光通風に有利なのはもちろんのこと、四季折々移ろいゆく自然を感じられる演出を施し、一層心地よく過ごせるよう工夫しています。一年を通じて彩りのある暮らしを楽しめる、豊かな住まいに仕上がりました。
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大きな吹抜けを持つLDK。2つの中庭と2階の窓からの採光通風を得ることが出来、まるで屋外にいるかのような開放感を楽しめる空間となりました。ナチュラルカラーのインテリアが、その心地よさを一層高めます。
リビングダイニング奥に設けたキッチン。目線を上げると吹抜け越しに家族の寝室や2階のワークスペースなど、邸宅内のあらゆる場所に目が届きます。
左から、2階から見下ろすLDK、LDKをのぞむ玄関ホール。適度な抜け感があり、それぞれの空間が緩やかに繋がる構成が、家族の気配を伝えます。玄関隣には客間があり、来客の動線は1階で完結できるように設定。家族の居室、寝室は2階に配置し、LDKを中心に動線を分離しています。
2つのテラスがLDKを挟んでおり、開け放てば室内と繋がる第2のリビングダイニングとして寛ぐことができます。建物に囲まれており、外の視線は気になりません。
廊下の一角に作った共有のワークスペース。こうした空間はリビングに作ることが多いですが、来客が訪れることの少ないフロアの廊下に作ることで、多少散らかっても気になりづらい、という利点があります。書斎とは別に、ちょっとした読書や書き物、お子さまの宿題など、PCを持ち出すほどではない作業に最適なコンパクトなつくりとし、あくまで廊下の行き来を妨げないようにしています。アルフレックスのカラフルなチェアを合わせました。
ワークスペースの後ろの壁にはホワイトボードを設置。伝言や忘れてはいけない予定など、家族の情報共有に役立ちます。
寝室奥にはウォークインクローゼットの他、小さな書斎を設けました。書斎と寝室の間はスキップフロアとし、椅子に腰かけると目の前に中庭の緑が広がる高さに窓を設けました。小さな空間ながら、閉塞感のない空間となるよう工夫しています。