東京都世田谷区の閑静な住宅街に建つ、ご夫婦とお母さまが暮らす二世帯住宅です。
敷地は角地で、駅から近く人や車の往来が比較的多い環境です。
プランニングに際し「明るい家にしたい」というご希望をいただいていたことから、中央のテラスを囲むように各部屋を配置し、主な開口部を内向きに設定することで、採光・開放性とプライバシーの確保を両立しました。
ご友人を迎えることが多いというご夫婦のライフスタイルに合わせ、ゆったりと寛げるルーフバルコニーも計画。二階のテラスとルーフバルコニーは螺旋階段を通じて直接行き来できるよう設定し、屋内外での寛ぎの時間をシームレスに繋いでいます。
インテリアはかつてイギリスで暮らしていた時の住まいをモデルとしてデザイン。奥さまこだわりのトープ色（ベージュをはらんだ薄いグレー）をベースカラーとして、シックでスタイリッシュに仕上げました。
３ｍほどの高めの天井高と間接照明で、ラグジュアリーに仕上げたダイニング。
空間全体は奥さまのこだわりであるトープという色で揃えていますが、天井の一部に白を採り入れることで、暗くなりすぎないよう配慮しています。
ペンダントライトはその個性的なデザインを活かすため、３灯の左右、高さをそれぞれ少しずつずらし、リズミカルに配置しました。
■Brand
・pendant light：ヤマギワ
ダイニングテーブルの色に合わせてデザインした、ダークグレーのアイランドキッチンとライトグレーの背面収納です。カウンターは奥さまの特等席で、PC作業などで一日いらっしゃることもあるそう。
ご夫婦で一緒に調理やお皿洗いをするということから、シンクには浄水ではなく、通常の水道水を引いた水栓を２つ設置しました。
キッチンの収納内部は一般的に黒か白の単色ですが、こちらのキッチンでは内部に木目の面材を貼り、美しく仕上げています。
■Brand
・kitchen：リビングプロダクト
来客時に活躍するホームバーとサニタリースペースはキッチン横に設置。
ホームバーにはワインセラーのほか、お酒のボトルを眺めて楽しむ飾り棚を設け、インテリアとしても楽しめるようにしています。
サニタリースペースではオレンジの洗面ボウルを差し色に。シックなLDKにおいて、ひときわ華やかな空間です。
■Brand
・Wash basin：TOYO KITCHEN STYLE
テラスに面した明るくゆったりとした階段ホール。リビングとダイニングの間にあり、各空間を繋いでいます。
ピクチャーレールを備えた壁には、かつてご夫婦で訪れたというベニスの風景画が飾られています。
光がたっぷりと入る、ブリティッシュモダンテイストのリビングルーム。
二面の壁にはご主人が集めている絵画を飾るためのピクチャーレールと、絵画を照らすライトを設置しました。
印象的な幾何学模様の壁紙は、イギリスのデパートでご自身で購入してきたもの。
この壁紙と青いダマスク柄のカーテンに似合うようにと、リビング・ダイニングと同様のトープ色をテーマカラーとしてシックに仕上げた寝室です。
天井の二段の間接照明は、母屋下がりの天井のカムフラージュを兼ねています。
■Brand
・Curtain：大塚家具
1階はご主人が、2階は奥さまがそれぞれデザインを担当したトイレ。
1階のトイレは、単色のコンクリート風のタイルや黒い手洗いを採用し、男性的な雰囲気に。
2階のトイレは柱型が出てしまうところをニッチのように見せて、上下でカラーリングを変えて意匠的に見せています。
いずれも奥には絵を飾りたいということで、絵画当てのライトを設置しました。
少しせり出したようなデザインが特徴的な階段。
玄関側からスムーズにアクセスできるように工夫しました。
全体的に壁の色が落ち着いていることから、ガラスや鏡など光沢感、抜けのある素材を用いて軽やかにデザインした玄関ホール。奥さまのご希望で、床にはタイルではなく明るい色味のフローリングを採用し、優しい雰囲気に仕上げました。
姿見とブロンズミラーは、空間に更なる広がりをもたらします。
窓からは緑を愉しめるよう植栽を計画しています。
ペントハウスを備えたルーフバルコニー。ご希望であった白いデッキを敷いて、リゾート風に仕上げました。
アウトサイドリビングとして活用することを想定し、パーゴラやタープ用の金物を設置しています。
ペントハウスにはおもてなしに便利なシンクを作りました。
緑がお好きな奥さまは、日当たりの良いこの場所で植物を育てて楽しんでいらっしゃいます。
