大きな河川のそばにあり、のびのびとした雰囲気が魅力的なエリアに建つ邸宅。
地区計画の壁面後退がある敷地で、必要な広さ・部屋数を確保しつつ、防犯・安全性に配慮した住まいを作ること、愛犬との暮らしを楽しめる家にしたい、というのがお施主さまのご希望でした。
そこで計画したのが、ルーバーで囲んだ大きなバルコニーのある、2階リビングの邸宅です。
全開放サッシで LDK と一体になるバルコニーは、目隠し壁となるルーバーに守られたプライベートな屋外空間。部屋の延長のように、外の視線を気にせず寛ぐことができ、室内に光や風を届ける機能も果たします。
1階には寝室と洗面・浴室などの水廻りを集約。ホテルのスイートルームのように、ゆとりと機能性を兼ね備えたプランとなっています。
愛犬と寛ぐ時も、忙しい毎日のなかで一人でゆっくりと過ごしたい時も、豊かなひとときを堪能できる大人の住まいです。
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角地に建つ邸宅。広めの通りに面した側には植栽を配して美しく演出すると同時に、玄関窓から視線が入るのを防いでいます。
どの面から見ても目を惹くのは、バルコニーの壁上部までいっぱいに設けたルーバー。実はこのルーバーの一部が門扉となっており、外から見た時に目立ちづらいように配慮されています。ルーバーの扉は愛犬が誤って外に出てしまうのを防ぐ役割もあります。意匠性と防犯性を兼ね備えたデザインです。
明るいリビングダイニングは、バルコニーを囲むL字型。さらにキッチン上部にも天窓を設けたことで、天気の良い日には、室内の隅々まで心地よい自然光が届きます。
床に用いたグレーのタイルは、愛犬の脚に負担が少ない床材を、とのご希望で選択。汚れの目立ちづらい色合いも、ペットとの暮らしに最適です。モダンな内装や家具とも調和し、シックな印象に仕上がっています。
室内に広がりをもたらすとともに、第二の寛ぎの場所となるバルコニー。高めの壁で視線を遮り、ルーバーで光と風を取り込んで快適に過ごせるよう仕上げました。角地で遮るものの少ない立地のため、壁は光が入りすぎることを防ぐカーテンの役割も果たしています。直接光はハイサイドライトから取り込み、室内はカーテンをつけなくても快適に過ごせる明るさをキープしています。
キッチンハウスでオーダーした、アイランド+ダイニングテーブル一体型のキッチン。グレーのバックセットと黒いアイランドキッチンのグラデーションが奥行きを感じさせ、ボリュームと上質感のある仕上がりです。
リビングとバルコニーを見渡せるキッチンは、愛犬の様子を見ながらの料理も快適。
■Brand
・Kitchen:キッチンハウス/kitchenhouse
・Refrigerator:ASKO
・Oven&Coffee maker:ミーレ/Miele
リビングの隣に向かい合うように設置した来客用の洗面室とトイレには、どちらもヘキサゴンタイルを貼って個性を出しました。ヘキサゴンタイル自体は伝統的な素材ですが、シックな配色でモダンな印象に仕上げています。
愛犬が安全に上り下りできるように計画した、安心感のある箱型階段。二階リビング側にはガラスのゲートも設けて安全対策をしています。後付けのものは柵のようなデザインが多いですが、造作することでインテリアと調和したスタイリッシュなデザインが叶いました。
踊り場には身体の小さな愛犬が外の景色を眺められるようにと、低めの位置にFIX窓を設けました。並んだスリット窓から光が入り、心地よい明るさを保っています。
玄関側と道路面にいずれもハイサイドライトを設置して、一階ながら光あふれる心地よい寝室をデザインしました。白い引き戸の奥にはウォークインクローゼットとバス・トイレ・洗面があり、ホテルのスイートルームのようなコンパクトで快適な動線が魅力です。ベッド奥に作ったカウンターはワークスペースとしても活用できます。
大きなリネン庫を備えた、洗面室兼トイレ。海外の邸宅やホテルの水廻りのように、コンパクトで機能性に優れた配置となっています。浴室とはガラスで隔てられているため抜けも良く、広々と感じられます。間接照明を効かせてラグジュアリーに仕上げました。
大きな窓がある玄関ホール。青空と緑が間近に広がる開放的な空間です。
窓の外には外観の装飾でもある植栽が並んでいるため、外からの視線は気になりません。
玄関横の姿見は身支度に便利なのはもちろん、その奥にまだ空間が広がっているかのような錯覚を与え、広がりを演出する効果があります。