東京都大田区に建つこの邸宅は、住宅ではなく各種撮影・イベント等の利用を想定した「ハウススタジオ」です。
一般的なハウススタジオは既存の戸建てやマンションをリノベーションして作られていることが多いものですが、より上質な暮らしのイメージを演出できる背景となるよう、一からデザインしました。
邸宅の中心にある中庭は自然光を採り入れつつ、撮影時の外部からの干渉を避けるのに効果的。さらに、中庭を上から覆えば夜のような薄暗い空間を演出することもでき、非常に便利です。
様々なインテリアコーディネートに対応できるよう、上質感を採り入れつつも全体的にシンプルなデザインに。また、多くの機材を必要とする撮影現場での作業を考慮して、各部屋はそれぞれ広めに計画されています。
家具はすべてBoConceptのものを採用し、他と一味違う、ラグジュアリーな暮らしをイメージできる邸宅に仕上げました。
★こちらのスタジオのご利用については、STUDIO西蒲田のウェブサイトにてご確認ください。
角地に建つ、間口にゆとりのある邸宅。グレーのタイルを貼って、よりボリューム感のある仕上げとしました。
花壇の裏手はアプローチとなっています。
車二台の駐車を想定したガレージスペース傍には、スタッフルームに直接出入りできる扉と窓があります。玄関口側には美しい緑のあるアプローチ。機材やスタッフ、来客との動線を分け、大勢の人がスムーズに出入りできるように配慮しました。
玄関ホールは、多くの人が集まること、機材の出入りなどを想定し、一般的な住宅より広めに計画しました。床にはオフホワイト色の大判タイルを敷き詰め、モダンで明るい印象のデザインに仕上げました。玄関横の扉を開くと、その先はスタッフルームとなっています。LDK側は中庭に面していて、明るい空間です。
玄関ホールの先にある1階リビング・ダイニング。40帖弱の広さと、耐震構法SE構法ならではのダイナミックな吹き抜けのある大空間です。タイル貼りのアクセントウォールが目を引くシンプルかつ上質なインテリアは、様々な家具、生活のシーンに似合います。
■Furniture:BoConcept
アルノでオーダーしたキッチンとバックセット。タイルと木を使ってリッチな雰囲気に。更に壁のタイルと間接照明が、上質感を引き立てます。レンジフードはアイランドキッチンの天板に埋め込まれた、ダウンドラフトフード(下引き換気扇)というタイプのものを使用しています。
※撮影を想定したキッチンのため、ダウンドラフトフードは撮影用小物として採用しています。東京都の住宅では採用することができません。
キッチンの隣にある、中庭に面したダイニング。自然光が料理をより引き立てます。天井高を抑えて落ち着いた雰囲気に仕上げました。インテリアはシンプルに、様々な装飾が映える仕様としています。
■Furniture:BoConcept
スタッフ用のミニキッチンがあり、ダイニングと隣接しています。窓の外は駐車スペースとなっており、機材や荷物の出し入れがしやすい配置となっています。
壁際に寄せて配置した、木製のひな壇階段。存在感のある黒のささらにシンプルな鉄骨の手すりを合わせました。
2階~3階部分は中庭側に寄せ、スムーズな動線に配慮しました。
間仕切りで2つの個室に見せられるように計画した、広々とした寝室。スリット窓から光が射す、気持ちのいい空間です。この部屋も白いクロスに明るい色味のフローリングを合わせて、シンプルに仕上げました。
大きなミラーと2つのボウルを備えた洗面化粧台。ミラー上下に間接照明を設置し、背面壁にはグレージュ色のタイルを貼ってラグジュアリーな雰囲気に仕上げました。洗面室・トイレを兼ねてゆとりある広さを確保したことで、大きな機材を使うことの多い撮影では作業しやすい空間となっています。
洗面室と同じタイルを使用して統一感を出したバスルーム。壁際に寄せたダウンライトが石調タイルの質感を際立たせ、雰囲気の良い空間に仕上がっています。他の空間同様、バスルームも一般的な住宅よりややゆとりのある広さ。撮影時の作業性を考慮して計画しています。
場所によって床にタイルと人工芝を貼り分け、それぞれ異なる景色を作ったルーフバルコニーです。広さもあり、様々な寛ぎのシーンを描くことができそうです。