「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

庭に囲まれた家

横浜市の閑静な住宅街に建つ邸宅。
高低差があり、建蔽率・容積率の制限の厳しい敷地に、屋外空間が邸宅と一体となって広がりを感じることのできる都市型住宅を描きました。

その特徴が特に表れているのは、一階のリビング・ダイニング。LDKと玄関ホールを囲むL字型の中庭をつくり、4メートルの高さのある壁でぐるりと囲みました。そうすることで、建蔽率に含まれない庭が、室内の延長のようなプライベートな空間になります。
また、スキップフロアを採り入れて、高低差を解決しながらより広がりのある豊かな空間を計画しました。

寛ぐ空間はゆったりと計画する一方、玄関からウォークインクローゼット、洗面室やユーティリティへの動線はコンパクトにまとめて、使い勝手の良い間取りに。来客と家族の生活空間を分離し、生活感を見せない工夫も施しています。

竣工
2023年12月
場所
神奈川県横浜市
敷地面積
229.41㎡(69坪) 建蔽率:40%/容積率:80%
延床面積
162.37㎡(49坪)
基本性能
木造(耐震構法SE構法)・外張り断熱・2階建

黒いフレームが特徴の外観デザイン

グレーの外壁に、黒いフレームを回してワンポイントに仕上げた外観デザインです。
左右の壁の高さが本来の地面の高さ。天井高2.1メートルのガレージは、敷地の高低差を活かして計画しました。

階段状のドラマティックなアプローチ

敷地の高低差と建蔽率の制限を解決するための一つの工夫として、玄関まで約10メートル、17段の階段のある広々としたアプローチを計画しました。この先にある邸宅への期待感を高める仕掛けにもなっています。
階段の蹴込み部分にはスリットを入れ、長い階段が重い印象にならないように仕上げました。
梁型は意匠上のポイントでもあり、上に雨樋を隠してアプローチに余計なものを出さないための工夫でもあります。



大きな窓のある玄関ホール

庭に開く大きな窓から光差す、さわやかな玄関ホール。
壁にはブロンズミラーを貼り、より空間に広がりを感じられるよう工夫しました。
框の下や天井下には間接照明を設置。夜には一層華やかな空間になります。

玄関ホールからアクセスできる2つの収納

LDKへの扉の手前に、左右二つの収納空間を計画しました。
左手には可動棚の付いたクローゼット、右手には大きなウォークインクローゼットがあります。
右手のウォークインクローゼットは奥の洗面室に繋がっていて、家族が帰宅するときにはここで荷物や上着を片付けてから、リビングダイニングに入ることが出来ます。

玄関と洗面室の間にあるWIC

家族共用のウォークインクローゼット。
両壁に可動棚とパイプを渡し、大容量の収納を計画しました。
玄関から洗面室への裏動線でもあるこの空間には、来客動線と家族動線を分ける役割もあります。

スキップフロアのLDK

リビングとダイニング・キッチンがスキップフロアで繋がる大空間。
高低差のある敷地を活かしたプランです。

ダイニングには、天井を掘り込んでダウンライトを3つずつまとめて設置。
彫り込んだ部分を黒色にすることで白い天井を間延びさせないようにするとともに、集中配灯によりメリハリのある空間になるよう計画しました。
窓際には間接照明も設置しています。

清潔感のある白いキッチン空間

白い大きなアイランドキッチンとバックセット。清潔感のある明るい空間になりました。
壁のタイルは60センチ角のものを使っていますが、キッチンの高さの都合上、普通に並べて貼ると半端な部分が出てしまうため、大判のタイルの間に小さくカットしたタイルを挟んで貼りました。シンプルな空間にさりげなく表情を添えています。

吹き抜けのあるリビング空間

スキップフロア上にあるリビングは、吹き抜けの大らかな空間に。より寛いだ雰囲気となるよう、床材をタイルからフローリングに切り替えています。
奥の扉は洗面室につながっており、玄関からの裏動線を抜けるとリビングに出られるように計画されています。

幅を広めにとった階段

寝室や個室がある2階へと続く階段。
一般的には幅85cmに設定している階段ですが、空間にゆとりがあることから、1mと少し幅広に設定しています。
手摺がよりスッキリと見えるよう、施工にもひと工夫しています。

ダイニングに隣接した書斎

引戸で仕切れる、家族共用の書斎。より明るく心地よい空間となるよう、天井の一部を斜めにして、高窓からも採光できるようにしました。
さらにブロンズミラーを貼ることで、奥行き感、光の拡散を狙っています。
壁のニッチにはリモコン類をまとめ、リビング側から見えづらく、かつ使いやすいように計画しました。

4mの外壁に囲まれたL字型の庭

外壁を高く立ち上げて、プライバシーを確保した庭。隣家が全く見えない高さに設定することで、屋外であっても気兼ねなく寛げる空間となりました。
壁の外側はグレー色ですが、庭側は白に塗装し、明るく圧迫感を感じさせないようにしています。
バーベキューや植栽への水やりを想定して設置した水栓廻りには、鉢物のボウルの代わりに造作でパンを作りました。

1階の水廻り

WICからつながる、洗面室・ユーティリティ・浴室とトイレ。
洗面室とトイレについてはリビングから直接アクセスできる配置とし、来客が使用できるようにしています。タイルを貼って上質感のある仕上げとしました。

吹き抜け上にある2階の廊下

二階には個室や寝室、家族用お手洗いがあります。
気になりやすい吹き抜けの音の反響を防ぐため、寝室の壁には防音材を入れるなど工夫しました。
5つ並んだ窓は、ちょうど富士山の向きを向いています。天気の良い日には、この敷地ならではの景色を愉しむことができます。

シンプルな仕様の家族用トイレ

2階はプライベート空間。トイレも家族のみの使用を想定し、1階と比べてシンプルに仕上げています。
ニッチはトイレットペーパーを並べられる高さに設定。扉を付けず、使い勝手良く計画しました。

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