お施主様のご希望は、日当りと風通しの良い家。敷地条件を考慮し、道路に面した南側に格子で囲まれた大きなバルコニーを計画することで、プライバシーを確保しながらも、屋外空間を内部に取り込めるような住宅を計画しました。
階段を上がると広がるのは、上質感のあるインテリアに彩られたワンフロアのリビングダイニング。柱の無い大空間のリビングダイニングの先には、大きなバルコニーが繋がります。開放感あふれるこの2階が、家族の暮らしの中心です。空間を贅沢に使いつつも、縦に立体的に空間を広げることで、大容量の収納や生活リズムの異なる家族のための個室や水廻りスペースもしっかりと確保し、機能的な要素も多く含んでいます。
半屋外空間がもたらすくつろぎによって、都市の中でも光と風を感じる、開放的な暮らしを実現しています。
約30畳の広々としたLDK。天井高は2700mmと高めに設定されています。壁や柱のない開放的な一室空間に、バルコニーから光と風の気配が届きます。窓を開け放てばバルコニーとLDKが一体となりさらに空間が広がります。SE構法ならではの大空間です。格子で目隠しされたバルコニー側には大きな窓を、隣家に面した側にはスリット窓を3つずつ並べて、視線を遮りながら抜け感を出しました。
木目調の優しい印象の面材が目を引くオーダーメイドキッチン。半個室のような空間ですが、リビング、ダイニングをよく見渡せる場所にあります。キッチンの上にモノが散らからないよう、収納については細かく打ち合わせを重ねて仕上げました。
バルコニーは外からの視線を気にせず過ごせるプライベートな屋外空間。ハンモックがかけられるフックも設置しました。リビング、ダイニングの延長として使える、家族がゆったりとくつろげるスペースです。
室内とバルコニーは連続性を感じられるよう、床の高さを揃えました。室内に体感的な広がりをもたらします。
ご主人の11帖の自室にはハンモックを吊って楽しく過ごせる場所に。子ども室は二面開口の明るい空間で、シンプルながら心地よく仕上げました。床にはカーペットを敷いています。
暗くなりがちな階段室には大きな開口を設け、すりガラスを使ってやわらかな光を取り込みました。すっきりとしたスケルトン階段は、明るい配色でより抜け感を強く感じられるデザインに仕上げています。
玄関ドアを開けると広がる玄関ホール。グレーのタイルが都会的な雰囲気を演出する、シックな印象の空間です。階段横の窓から取り込んだ光が空間を奥まで柔らかく照らします。
木製のガレージドアの奥には、真っ白なガレージがあります。自転車を吊るための金物を設置して、愛車と自転車が干渉せず、すっきりと格納できるよう工夫しました。奥には収納があります。
1階にビルドインガレージがあり、2階バルコニー部分を覆うようにルーバーが配置されています。ルーバーは外からの視線を遮る機能性と、建物を印象付ける意匠のポイントでもあります。ベージュをベースカラーとして、優しく上品に仕上げました。